Ren Imai

今井 廉

恋人のバスタオル

出会い

彼との出会いは生まれてすぐのことだった。 生まれたばかりの私の頭を優しく包み込んでくれた。彼の体はまるで春の日差しのように柔らかくそして暖かかった。

幸せな日々

その後、彼は枕の中身として転生し以後、現在に至るまでずっと私に寄り添ってくれた。不安な夜も、熱に浮かされる夜も、彼は優しく私を眠りへと誘ってくれた。彼がいてくれたお陰で私は172cmの体躯ととんでもない入眠速度を手に入れることができた。10秒もかからず意識を落とすことが可能となったのだ。

危機

幸せな二人に危機は訪れた。
両親の介入である。
「いいかげん捨てなさい。」
両親の言い分は最もだ。実に18年という歳月がたっているのだから。

それでも私は彼との離別を拒んだ。
彼と離れることなど耐えられない。死ぬまで一緒にいたいと思っているのに。そして私達はある決断をした。

駆け落ち

その日のうちに私は彼を旅行バッグに詰め込み、実家から長岡のアパートへ跳んだ。両親の目の届かぬ場所へと逃げ込んだのだ。

安息の地

こうして彼との幸せな日々は22年目へと突入していくのである。一生一緒に…ん?

死が2人を分断つまで…



   完

Ren Imai

今井 廉

uxlab#04 - Bottow or Die -