8歳の誕生日の手紙

Satsuki Kanai

金井 彩月

私のたからものは、8歳の誕生日に両親からもらったリンゴ型の手紙です。
幼少期の思い出も交えながら、この手紙についてのお話をします。

子供の頃、仕事の忙しい父とのコミュニケーションは主に手紙の交換をすることでした。 新しい文字や漢字が書けるようになると、母に確認してもらいながら習いたての文字を使って父に手紙を書いていました。 書いた手紙を冷蔵庫に貼ったり、机に置いて父からのお返事の手紙を待つのが楽しみでした。

「パパへ。『そ』が書けるようになったよ!」
「papahe.itumoarigatou!」
覚えたてのひらがなやローマ字で書かれた手紙は、きっと読みにくいものだったと思います。 それでも父は、どんな手紙にも優しく丁寧なお返事をくれました。

8歳の誕生日は、特に手紙をたくさん書いて父と交換していた時期でした。
そんな時にもらったからこそ、手紙が家族を繋いでいた頃の温かい記憶と思い出を思い出させてくれるのです。

それから時が経ち、私は21歳になりました。
今でもこの手紙を見ると、どんな時でも心が温まり、前向きな気持ちになれます。
どんなに悲しいことがあっても、頑張ろうと一歩踏み出す力をくれます。
8歳の頃から変わらない、私の心の充電器です。